ヒョウの映像を見ると、
獲物をくわえたまま木に登っている場面があります。
初めて見ると、
「なんでそんな面倒なことをするの?」
と思います。
Yahoo!知恵袋でも、
ヒョウはどうして獲物を木の上に引きずり上げるのでしょうか
という質問がありました。
実はこれには、ヒョウが生き残るための重要な理由があります。
今回はヒョウの木登り能力と、その驚異的な筋力を数字で計算してみましょう。
ヒョウはなぜ獲物を木の上へ運ぶのか
結論から言うと、
他の動物に横取りされないため
です。
サバンナには、
- ライオン
- ハイエナ
- リカオン
などの強力なライバルがいます。
ヒョウは単独生活をする動物です。
せっかく仕留めた獲物を奪われると大きな損失になります。
そこでヒョウは、
獲物ごと木の上へ避難します。
つまり木は、
ヒョウにとっての
食料庫
であり
金庫
でもあるのです。
ヒョウはネコ科最高クラスの木登り能力を持っています。
→ ネコ科で一番木登りが上手いのは誰か

実は肉食動物は意外と慎重
肉食動物は強そうに見えます。
しかし実際はかなり慎重です。
怪我をすると、
- 獲物を追えない
- 敵から逃げられない
- 飢える
という問題が発生します。
だからこそヒョウは、
ライオンと正面から争うよりも、
木の上へ逃げる方法を選びました。
強さだけでなく、
賢さによって生き残っているとも言えます。
ライオンやハイエナは木に登れないのか
登れないわけではありません。
若いライオンは木登りできますし、
大型のネコ科は基本的に木へ登れます。
ただし、
ヒョウほど得意ではありません。
特に大型のライオンやハイエナは、
木の上まで獲物を追いかけるのが難しくなります。
ヒョウはその差を利用しているのです。
ヒョウはどれくらい重い獲物を運べるのか
ヒョウは自分と同じくらい、
あるいはそれ以上の重さの獲物を運ぶことがあります。
例えば、
- インパラ
- ガゼル
- ヌーの子ども
などです。
重さは50kgを超えることもあります。
人間で考えると、
大人ひとり分です。
数字で計算してみる
50kgの獲物を、
高さ5mの木へ運ぶと仮定します。
位置エネルギーは次の式で求められます。
PE=mgh
位置エネルギーについて詳しくは、
「位置エネルギーとは?|ピューマが5mジャンプできる理由を計算してみよう」

で解説しています。
計算すると、
50 × 9.8 × 5
=2450J
となります。
約2500Jです。
2500Jはどれくらいすごいのか
2500Jという数字だけではイメージしにくいかもしれません。
そこで人間に置き換えてみます。
50kgは小柄な大人ひとり分。
つまりヒョウは、
大人ひとりを担いだまま木によじ登るようなことをしている
計算になります。
しかも、
登った後に休憩するわけではありません。
そのまま安全な場所で食事を始めます。
本当にすごいのは「運ぶこと」
実はネコ科の多くは木に登れます。
しかし、
重い獲物を運びながら登れる種類はほとんどいません。
ヒョウが特別なのは、
木登り能力だけでなく、
獲物を持ち上げる筋力まで兼ね備えていることです。
だからこそ、
ライオンやハイエナから獲物を守ることができるのです。
なぜヒョウだけがここまで木登りに強いのか
ネコ科はそれぞれ得意分野が違います。
- チーター → 速さ
- ジャガー → 咬合力
- ピューマ → ジャンプ力
- ヒョウ → 木登り
ヒョウは木を利用することで、
他の捕食者との競争を避ける進化をしました。
その結果、
ネコ科最強クラスの木登り能力を手に入れたのです。
詳しくは

でも紹介しています。
まとめ
ヒョウが獲物を木へ運ぶ理由は、
他の捕食者に横取りされないため
です。
そのために、
50kg級の獲物を木の上へ運ぶほどの筋力と木登り能力を進化させました。
ヒョウは単純に強いだけではありません。
競争を避けるための戦略まで含めて優秀なハンターなのです。
関連記事
物理教師のどうでもいい考察
ヒョウは獲物を木の上へ運びます。
理由は、
「横取りされたくないから」
です。
Redditを見ると、
「私も食べ物を部屋へ持って行って一人で食べる」
という人がいました。
少し気持ちは分かります。
私もケーキを買った日は、冷蔵庫の場所を家族に教えません。
ヒョウと私の違いは、
ヒョウは50kgの獲物を木の上へ運びますが、
私はプリンを冷蔵庫の奥へ隠すだけなことです。
たぶん行動原理は同じです。

