ライオン。
ヒョウ。
チーター。
アフリカのサバンナには複数の大型ネコ科動物が暮らしています。
すると素朴な疑問が生まれます。
同じ肉食動物なのに、
なぜ共存できるのでしょうか。
うちの娘にも、
「みんな同じシマウマを食べるんじゃないの?」
と聞かれました。
確かにその通りです。
もし全員が同じ獲物を狙うなら、
最終的には一番強い種だけが残りそうです。
しかし現実は違います。
ライオンも、
ヒョウも、
チーターも、
今も同じ地域で生きています。
その理由は、
生態学でいう「ニッチ(生態的地位)」にあります。
結論:同じ獲物を狙っているようで実は違う
先に結論です。
ライオンも、
ヒョウも、
チーターも、
まったく同じ生活をしているわけではありません。
獲物。
活動時間。
狩り方。
利用する場所。
これらを少しずつ変えることで共存しています。
つまり、
競争を避けているのです。
なぜ共存が問題になるのか
競争排除原理とは
生態学には
「競争排除原理」
という考え方があります。
簡単に言うと、
まったく同じ資源を利用する2種は長期的には共存しにくい
というものです。
同じ資源を使うとどうなるのか
例えば、
同じ池に同じ魚だけを食べる動物が2種類いたとします。
能力差があるなら、
どちらかが有利になります。
長い時間が経つと、
片方が減っていく可能性があります。
ライオン・ヒョウ・チーターの住み分け
ライオンは大型獲物担当
ライオンは群れで狩りをします。
ヌー。
シマウマ。
バッファロー。
大型獲物を狙います。
ヒョウは隠密ハンター
ヒョウは待ち伏せ型です。
木登りが得意で、
獲物を木へ運ぶこともあります。
詳しくは
「ヒョウはなぜ木に獲物を運べるのか|50kgを持ち上げる驚異の筋力を計算してみた」

で解説しています。
チーターは昼間の高速ハンター
チーターは速さ特化です。
昼間に狩りをすることが多く、
ライオンやハイエナとの直接競争を避けています。
詳しくは
「チーターはなぜ時速100kmを出せるのか?人間やF1と比較して計算してみた」

をご覧ください。
数字で考えてみる
体重差を比較してみる
| 動物 | 体重 |
|---|---|
| チーター | 35〜65kg |
| ヒョウ | 30〜90kg |
| ライオン | 120〜250kg |
ライオンだけ明らかに重いです。
体格が違えば、狙う獲物も変わります。
狙う獲物サイズを比較してみる
| 動物 | 主な獲物 |
|---|---|
| チーター | ガゼル類 |
| ヒョウ | 中型哺乳類 |
| ライオン | 大型草食獣 |
実は食べ物も少しずつ違います。
だから完全な競争になりません。
ニッチとは何か
住む場所
同じサバンナでも、好む環境は違います。
活動時間
チーターは昼。
ヒョウは夜。
こうした違いがあります。
獲物の種類
狙う獲物も少しずつ違います。
これが共存の鍵です。
もし住み分けがなかったら?
全員が
同じ時間に、
同じ場所で、
同じ獲物を狙うなら、
競争はもっと激しくなります。
現在の共存は、
長い進化の結果なのです。
共存の裏で起きていること
ライオンとチーター
実はかなり相性が悪いです。
チーターが仕留めた獲物を、
ライオンが横取りすることもあります。
詳しくは
「ライオンとチーターが同じ獲物を狙ったらどうなるのか」(準備中)
で解説します。
ヒョウとライオン
ヒョウは獲物を木へ運びます。
これはライオン対策でもあります。
詳しくは
「ヒョウはなぜ木に獲物を運べるのか|50kgを持ち上げる驚異の筋力を計算してみた」

をご覧ください。
まとめ
ライオン。
ヒョウ。
チーター。
これらが共存できる理由は、
住み分けです。
- 活動時間が違う
- 狩り方が違う
- 獲物が違う
- 利用する場所が違う
こうした違いが、
競争を和らげています。
自然界は力だけで決まるわけではありません。
うまく住み分けた者が生き残るのです。
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物理教師のどうでもいい考察
娘に
「みんな同じ獲物を食べたらケンカになるよね?」
と言われて、
確かにその通りだと思いました。
人間でも給食の唐揚げが1個足りなければ問題になります。
ライオン。
ヒョウ。
チーター。
みんなが同じシマウマだけを狙ったら、
サバンナは毎日職員会議になりそうです。
しかし自然界は意外とよくできています。
それぞれが少しずつ違う仕事をしているから、
同じ場所で暮らせるのです。

